患者さんの立場に立った診療をめざして
開院準備をスタートさせたのは2017年1月です。医療機器に強いMARUKIさんに加え、医薬品卸の専門企業、地元金融機関がチームを組み、開業に向けた力強いサポートを行ってくれました。開院にあたっては、3つのモットーを掲げました。それは、1)わかりやすい説明、2)丁寧な診察、3)患者様の立場に立った治療方針です。その実現のため、特にこだわったのが、診療精度の高いコーンビームCTの導入でした。
耳鼻科領域での診断精度の向上を
耳鼻咽喉科の診療所の場合、診断機器としてはX線撮影装置を備えるのが一般的です。私が第一に考えたのは、耳鼻科領域の病気の診断精度を上げること。そのためには、厚さ0.05mmでスライス撮影ができ、撮影したデータで即時に3D立体画像を作成することのできるコーンビームCTの導入が不可欠と考えました。一次医療を担う診療所での診察精度の向上は、かりに二次医療が必要となった場合でも、診療データの共有等による的確な医療の提供はもちろん、患者さんの負担軽減にもきっとつながることでしょう。
ICTを積極的に活用した診療所づくりを
開院にあたりもう一つ重視したのが、ICTの活用です。患者さんの多くが日常的にスマホや携帯電話を利用していることから、これらの機器を介して診療予約や待ち状況の確認ができるシステムを導入しました。いずれはICTを活用した在宅診療にも挑戦してみたいと考えており、MARUKIさんにはこうした面での支援も期待しています。山形県庄内地域は、医療連携に積極的に取り組んでいる地域です。その中核となっているシステムが、域内の病院、診療所、訪問介護ステーション、調剤薬局等が診療情報を共有する「ちょうかいネット」です。このネットワークに参加することで、地域全体で住民の健康をまもる、地域医療の一翼を担う診療所へと成長していきたいと思います。